一般的な社会的イメージとして、正社員の場合は会社からの福利厚生が手厚く、時間給で働く人たちに対しては、福利厚生はそれほど期待できないか、あるいはすべて自分で何とかしなければならないと考えている人が多いのではないでしょうか。
薬剤師としての資格を持っている人なら、大手の派遣会社に登録することでそこの福利厚生が適用になります。そのため、厚生年金に加入できたり、健康保険も会社が組合を持っているので、当然加入できます。また、時間給も1時間当たり3000円を超える高給に設定されていることも珍しくありません。そんな充実した大手に登録した場合、社宅も用意されていて、そこで生活をすることも可能です。病院に調剤薬局、ドラッグストアのいずれかに正社員として雇用されないと、不安定な働き方しかできないと考えていたのが、実を言うと大手を選べばもっとも安心して働ける環境を手に入れることができるようになるのが派遣なのです。
医療機関のそばに調剤薬局が並ぶ光景はすっかりおなじみになりましたが、この調剤薬局の中には個人経営のところも多くあります。そうしたところで正社員として雇用されたとしても、福利厚生が充実しているとは言い難いことも多いのです。厚生年金ではなく、自分で国民年金に加入しなければならないとなれば、老後にもらえる年金は厚生年金に比べて非常に少なくなります。当然のことながら福利厚生の一部に社宅の用意などはなく、自分で探すのが鉄則です。マンションやアパートを借りるとなると、敷金や家賃などで毎月そこそこの出費になるでしょう。福利厚生が充実しているところと比べ、手元に残るお金の額が大きく違ってきます。
派遣登録をした方が、直接雇用よりも時間給が高くなることはよく知られていますが、福利厚生にまで違いがあるということまで知っているのは、初めて登録するという人は少ないのではないでしょうか。知ってしまったら、おそらく直接雇用の方が不安が大きくなって、とても登録をやめることはできないと感じてしまうことでしょう。時間給はより多く、社宅まである福利厚生の充実ぶりを知ってしまった以上、不安材料の多い方へあえて行くのはもったいないの一言に尽きます。正社員になれると言われても、福利厚生の面で劣っているなら、メリットはほとんどないに等しいからです。大手に登録が多いのには、確たる理由があったということです。