病院での薬剤師はチーム医療に携わることが出来ます。薬の知識をより深めてスキルアップしたい人に病院は適した職場です。行う業務は主に調剤・服薬指導・製剤・DI業務の4つになります。やりがいは調剤薬局やドラッグストア勤務とは異なったものが得られるでしょう。
病院では勤め先の病院やクリニックの処方箋のみを調剤します。調剤する薬は働く病院の規模によってもかわってきます。少数の診療科しかない病院なら特定の診療科目を深く関わることになります。診療科の多い総合病院なら、一般的の調剤薬局よりも幅広く調剤を行うでしょう。
ただ処方するだけでなく、医師への疑義照会を行ったり提案する積極的な業務もあります。担当する調剤は病院により変わってきますが、やりがいは大きく感じられる仕事といえます。服薬指導も病院の規模により携わる分野が変わってきます。
少数診療科の場合は専門的に特化した服薬指導となり、総合病院なら幅広く服薬指導を行うでしょう。こちらは幅広い知識やスキルを得られます。どちらがいいかは一概に言えません。病院に勤めているので病棟の入院患者に対する服薬指導は大事な仕事となります。薬効や副作用をしっかり説明して、患者さんの健康状態を日々観察することになります。親切にきめ細かいコミュニケーションを取ることが求められます。場合によっては、医療チームに適切な処方を提案する機会も発生してきます。
病院に勤務する中での大きな業務が製剤です。病院などで内服剤や注射剤などを調整するのは院内製剤と呼ばれています。調剤薬局との調剤とは違い、患者さんの状態に合わせて行います。有効性だけでなく、安全性にもしっかり考慮します。
医師の処方箋に基づいた調剤とも異なります。患者さんの症状や疾病にあわせて調剤するのでより薬学的な知識とスキルが求められます。市販薬を治療に用いることができなかったり、同じ病気であっても患者さんごとに求められる薬は違うからです。
いわば薬剤師の腕の見せどころとなるでしょう。
DI業務は通称医薬品情報(Drug Information)となります。医薬品は世界中で日々活発に研究・開発されています。薬は安心でなおかつ安全に利用するためにも、投与する量や方法・効果・副作用などあらゆる情報が欠かせません。
こういった情報収集を行うことをDI業務となります。DI業務を担当するスタッフは、医薬品に関する情報(書籍だけでなく論文なども)を日々収集して管理します。従来の紙媒体だけでなく、コンピュータのデジタル情報でも管理されています。
薬に関しての問い合わせは医師・看護師・製薬会社などから行われます。必要とされる情報を提供するDI業務はスキルを活かす絶好の業務です。