薬剤師が仕事選びを始めるにあたっては、各地の医療現場や調剤薬局、一般企業などで必要とされるスキルや経験についてきちんと理解をしたうえで、自分に適した職場を見極めることが重要となります。また、実務経験が少ない人や、一つの現場で長く働いたことがない人は、満足のいく教育を受けられる職場を優先的に選ぶと良いでしょう。
公立病院や民間の総合病院で薬剤として勤務をする場合には、服薬指導を中心とした専門スキルが必須となります。そうした中、順調にスキルアップを図るには、毎日の仕事を通じて信頼のおける先輩に指導を受けたり、専門性の高い業務を担当したりすることがおすすめです。
また、重病の高齢患者がいる病棟においては、一日のうちに服薬指導を担当する場面が多くあるため、時間を掛けて業務に関するスキルを習得することが大事です。医療スタッフの教育に力を注いでいる病院の中には、服薬指導をはじめとする業務に不安があるスタッフを対象に、様々な形でフォローを行っているところもあります。
そこで、妥協することなく自分のキャリアに合った職場を選択することが大事です。
地域内の調剤薬局で働く薬剤師は、日々の業務の中で調剤業務を担当するだけでなく、患者と直接会話をする機会も多いため、コミュニケーションスキルに長けた人が重宝されています。そのため、各地の調剤薬局の中には、採用選考の際に複数回の面接を行ったり、ディスカッションやグループワークなどの機会を設けたりしているところもあります。
調剤薬局のスタッフと患者との関わり方については、現場での経験が少ない人にとって想像しにくいこともあるため、求職中に職場見学の申し込みをするのも良いでしょう。
一般企業内の医療従事者は、医療に関する専門的なスキルがあるだけでなく、社会経験が豊富な人が好まれる傾向が見られます。大手企業の中には、十年以上にわたり同じ職場で働いた経験を持つ人や、ビジネスマナーや社会常識がしっかりと身についている人を優先的に採用しているところが少なくありません。
そこで、一般企業内で医療従事者として働きたい人は、早いうちからそれぞれの企業が求めている人物像についてよく理解することが大切です。