薬剤師の求人倍率は、一般的には高いと言えます。厚生労働省が公開している令和4年6月分一般職業紹介状況(パート除く)によると有効求人倍率は2.76倍でした。就職先は、主に4つで、薬局、病院、製薬会社及び大学です。それぞれの就職先には特徴があるため、向き不向きが出てきます。ここでは就職先選びで失敗しないための就職先別特徴を大まかにみておきたいと思います。
薬剤師の就職先としては、主に以下の4つがあります。まず薬局を取り上げてみましょう。全国に展開する薬局数は6万店を超えています。当然、人口の多い都道府県に行くほど、また、人口の集中する都市部へ行くほど、その店舗数は多くなってきます。
仕事内容の中心は、調剤や服薬指導を行うことになります。それ以外に、薬剤に関する指導や啓蒙活動を行うことができます。薬局の特徴は、地域医療に貢献できるという点にあります。次に病院をみておきたいと思います。
病院では、入院患者や外来患者の薬物治療を担当することになります。また医師や看護師と連携できるという特徴もあります。さらに、製薬会社を取り上げてみましょう。製薬会社では、新薬の開発や製造、販売などを行うことが主な仕事内容となります。そこにおいては最先端の技術に触れられるという特徴があります。大学・研究機関:薬学や生命科学などの教育や研究を行う。学問的な興味を追求できる。このように、それぞれの就職先にそれぞれの特徴があるのです。
就職先の向き不向きは、個人の性格や能力、目標や価値観などによって変わりますが、大まかに言えば以下のような傾向があります。まず薬局ですが、そこではコミュニケーション能力や応対力が必要となります。
人との対話やコミュニケーションの好きな人、あるいは、人に指導することが好きな人が向いているといえます。また、地域密着型で働きたい人にとっても薬局は向いています。次に病院をみると、病院では専門知識やチームワークが必要となります。
病院にもその規模によって、採用されている専門スタッフや仕事内容が変わってはきますが、薬局と比較すると高い専門知識が必要のなる場合が多いものです。また、多様な症例に対応しなければなりません。そして、その多くをチーム医療を担当する一人として向き合う必要があります。そこで、病院に向いているのは、多様な症例と高度な先端医療に接した人や協調性のある人向きといえます。製薬会社はどうでしょう。そこでは企画力やビジネスセンスが必要となります。また新薬の考案といったイノベーションを起こしたい人向けといえます。最後に、大学・研究機関をみておくと、これらの機関では、創造力や探究心が必要となります。自分の興味分野を深めたい人向けといえます。
以上のような違いをもつ就職先ですが、大まかに言えば、他人とのコミュニケーションが好きかどうかということと、向学心があるかどうかということの、2点の相関から決めるのが無難です。
人にはそれぞれの性格がありますが、それに合わせた選択が就職先の決定には大切なことになります。