現代日本において、薬学の専門家と言えばほとんどの人が薬剤師をイメージするでしょう。これは国家資格という知名度のあるわかりやすい目印があるためであり、基本的には間違ってはいません。しかし世の中にはこの国家資格がなければできない仕事と、なくてもできる仕事が存在しています。国家資格を持っていることにより有利になるのは当然ですが、必ずしも必須の条件とはなっていない場合もあります。
医療系の仕事を中心として、国家資格が必須です。病院等で働く場合には基本的に何かしらの国家資格を持っているのが前提とされており、薬学に関しても例外ではありません。
病院内の業務はもちろんですが、医師の出す処方箋に基づいて薬を出す調剤薬局に勤める場合も国家資格が必須になります。資格取得のハードルは高いものですが、そのハードルを超えた場合には安定的な収入を得ることが出来る仕事を得ることが出来るようになります。
最終的には能力次第であると言えますが、どのような仕事を選択するのかによって得られる収入には変化が生じます。
薬を取り扱う仕事でありながら、必ずしも国家資格を必要としない職種も存在しています。例えば医薬品メーカーの営業職などは医師らを対象に薬の説明やアピールをしなければならないため、高度な薬学知識を持っている場合が多いのですが、必ずしも国家資格が求められるという仕事ではありません。
ある意味では誰でも出来る仕事ではありますが、個人の知識や資質が業務成績に大きく影響する仕事であると言えるでしょう。一般のドラッグストアなども、かつては国家資格取得者の在籍が必須でしたが、現在では必ずしも必要ではないという形に緩和が行われています。
医薬品開発という仕事があります。今はまだない新しい薬を作るための研究は、薬学を志す人にとっては魅力的な仕事であると言えるでしょう。研究職は必ずしも国家資格を必要とする仕事ではありませんが、現実的には専門家の多くが薬剤師国家資格を取得しています。
研究者になる場合は大学院等での研究を行なったり、民間の研究室に入ることになるのが一般的です。非常に高度な知識と能力が求められる仕事であり、既存の枠組みにとどまらない仕事であると言えますが、必ずしも国家資格を要件とする仕事ではありません。