派遣薬剤師の全て

舌下免疫療法の効果と薬剤師が果たすべき役割

2023年12月21日

花粉症は命にかかわる大病ではないですが、快適な日常生活の大きな妨げになるのは確かです。その花粉症を治療する方法として注目されているのが、体質改善をする舌下免疫療法です。長い期間が必要になる治療法なので、薬剤師が患者と連携して治療期間を支えることが重要になります。

舌下免疫療法に期待できる効果と必要な治療期間

舌下免疫療法は入院や手術を必要としない治療法で、多くの人が気軽に選択できます。くしゃみや鼻水など花粉症に見られるアレルギー症状全般を軽くすることができるだけでなく、完全に症状から解放されることまで期待できます。

但し、即効性はなく、数年に及ぶ長い治療期間が必要になる点が患者の負担になるマイナス面です。このマイナス面をサポートして、患者を支えていくのが薬剤師の役割で、長い期間治療を継続できるか否かのカギを握る立場と言っても過言ではありません。

舌下免疫療法を継続するため患者に伝えておくこと

舌下免疫療法の長い治療期間を支えていく上で気に留めておくことは副作用です。軽い症状で済む場合もあれば、アナフィラキシーショックを起こすなど危険な結果を招くこともあります。たとえ軽いものでも、患者にとっては大きな負担になることもありますし、後に重篤化することもないとは言えません。

重篤化のリスクが小さくても負担に感じてしまうと、患者自身の判断で治療を止めてしまうことも考えられます。事前に起こり得る副作用を説明して患者の精神的な負担を軽減し、治療からリタイアしてしまうことのないようにフォローしなければいけません。

具体的な説明を事前にしておけば、副作用が起こった時にも慌てることなく治療を継続してくれることが期待できます。

舌下免疫療法の効果に繋がる服薬指導と信頼関係

舌下免疫療法の副作用対応は、軽重に関わらず丁寧なサポートが求められます。また服薬との関係で運動や飲酒が制限されることもあるので、その理由を患者に説明して協力を得られるようにすることが大切です。患者が軽く考えて守らないようなら、結果が期待できなくなってしまいます。

また、重篤な副作用が出た際の対応に関しても事前説明が必要です。速やかに医師の診断を受けるように指導しておかないと、取り返しのつかない結果になることもあります。舌下免疫療法は長い時間をかけて適切な治療を続ければ、結果として大きな効果が得られる療法なので、丁寧な服薬指導を通して患者との連携を密にして信頼関係を構築することが大切です。