高齢化社会が進む中で薬剤師に適切な認知症患者対応が求められる状況です。その役割を果たせることを認定する制度が認知症研修認定制度です。認定を受けることで、周囲から認知症対応のスペシャリストとしての評価を受けることができ、高齢化社会における貴重な存在と認められるうえ、自身のキャリアアップにも繋がります。
認知症研修認定を受けるための資格は、単に薬剤師資格を持っているだけでは足りません。所定の実務経験があることも必須条件に含まれていて、認知症患者に対する経験も問われることになります。研修などへの参加と単位の取得も条件になり、前提として認知症サポーターであることも求められます。
それらの条件を満たすことで受験資格を得て、試験に合格したのちに認定を受けることになります。求められる条件が数多く定められているので、仕事を始めてすぐの人よりもある程度経験を積んだ人がスキルアップを求める場合や、専門分野を持ちたい場合に利用する制度と言えます。
但し、受験資格を得るためには準備期間が必要なので、資格取得を検討する人は早い段階から意識しておく必要があります。
認知症患者は今後増えると考えられていて、当然対応できるスペシャリストへの需要も高まることが予想されます。認知症患者に対する経験や知識がないと受けられない認定なので、取得していれば専門家として高い評価を受けられるのと同時に、期待される立場になることができます。
日々の業務のモチベーションとしての効果だけでなく、キャリアアップとしても機能するので職場によっては昇給や栄転に繋がることもあります。また必要とする職場が多い資格なので、転職の際の強い武器になることも期待できます。
認知症研修認定を受ければ、高齢者を対象にする施設ならどこでも、必要な人材という評価を与えてくれるでしょう。医療施設だけでなく、老人ホームでも重宝されることが期待できますし、訪問医療の分野でも必要とされることは間違いありません。
更に高齢者以外でも、若年性認知症患者への対応も専門的な知識や経験がものをいう分野になります。単なる薬剤師とは違う専門性の高い立場になるので、必要とされているという実感と期待からくる責任を感じながら仕事に取り組むことができます。