医療従事者の働き方が多様化しています。医師や看護師だけではなく、薬局で働く薬剤師の方の働き方にも多様性が出ています。フルタイムの正社員だけではなく、契約社員やパートタイマー、派遣などの雇用システムができています。
埼玉県は、日本でトップクラスの人気住宅地です。都心へのアクセスも良好で、自然豊かな緑も残っている土地ですから、住宅地としては最適と言えるでしょう。住む人が多い分、この高齢化社会をたどる日本では当然高齢者率も高い地域になっていきますので、医療需要も特に高い地域と言えるでしょう。
自宅療養を行われる高齢者の方が増えています。自宅で治療を行い続けるには、薬などの医薬品が欠かせません。その医薬品を提供する機関は薬局ですので、薬局は常に人手不足になっています。フルタイムの正社員として働かれる方だけでは賄いきれないという現実が、多くの薬局で出ています。
そこで、多様な就業システムが生まれているということです。
町の商店街や百貨店に入っている調剤薬局で働かれているスタッフは、正社員の方ばかりではありません。契約社員として一年単位で就業している方も入れば、パートとして曜日と時間を指定して働いている方もいます。そして昨今多くなっている働き方が、派遣社員です。
エリアごとに薬剤の専門家を出動させる事務所があり、需要に応じて必要な人材を各薬局に配属させるというシステムです。就業するスタッフにしても、子育てやキャリアアップの為の勉強と併用して仕事をこなすことができるので、フルタイムよりも派遣という就業形態を選ばれる方もいます。
またフルタイムではどうしても忙しさにむらがありますが、このシステムであれば、必要な時だけ効率よく仕事をすることができます。
薬剤師というご職業は、大学の薬学部を卒業して難しい国家試験に合格した方しか就くことができない専門職です。医療需要が高まっている日本社会では必要不可欠な職業ですが、医療機関という施設の特徴として、忙しい時とそうでないときの落差が激しいということがあります。
せっかく専門的知識やスキルを身につけているのに、それを活かせなくて困惑しているベテランの方も少なくありません。しかし、この就業システムであれば、自分のスキルと適正を必要としている時だけ仕事をすることも可能です。
そのため、大学をご卒業されたばかりの新人の方よりも、経験と実績を備えたベテランの方がこの就業システムを利用している傾向にあります。