日本全国どこを取ってみても、人が集中するところもあれば、人が流出し、特に労働の担い手となる若い人材が不足するところがあり、まさに両極端になっているといっていいでしょう。有資格者は、そんな人がいないところにも求められる場合があります。
多くの人が集まる大都市というのは、首都・東京を筆頭に日本全国にいくつか有名な都市があります。そうしたところは、そこで生まれ育った人はもちろん、他府県からも仕事を求めてやってくる人が多く、必然的に人口はどんどん増加することになります。
そうなると、仕事の需要も生まれ、ますます人は大都市から離れようとしなくなるという流れが出来上がってしまいます。その反対に、大都市へと仕事を求めて人が出ていった場所は、人がいないために仕事もなく、廃れていく一方です。
そんな寂しくなってしまった町に暮らす人たちは高齢者が多く、年金を受け取っているために生活はできますが、医療面において困ることは多いようです。
人口の流出が止まらない過疎の地域では、高齢者が暮らすからこそ医療のニーズはかなり高いといえます。おしゃれなショッピングモールや、複合型レジャー施設などの需要はなくても、医療機関と薬の需要は、大都市と同じように必要です。
とはいえ、過疎化が進む地方に来ようとする医師も少なく、住人は時に市販薬に頼らざるを得ない状況に陥ることもしばしばです。そんな時に頼りになるのが薬のエキスパートである薬剤師で、具合が悪い時には話を聞き、適したお薬を試してみてもらうなど、過疎化が進む場所では医師に次ぐ頼りになる存在になること、間違いなしなのです。
そのため、独身の有資格者であれば、あえて地方に派遣されてみるのもチャレンジかと思われます。
人は仕事をするにあたって、誰かから認められたり、頼りにされると頑張れるものです。仕事をしに訪れた場所には、しゃれたショッピングモールも楽しいレジャー施設もないけれど、住人はみんな自分が来てくれたことを歓迎してくれ、何かあれば相談したいと話をしに来てくれる、そんな薬局で勤務出来たら、これは薬剤師冥利に尽きるといってもいいのではないでしょうか。
薬という、自分にとってもっとも得意とする分野の知識について、絶対的な信頼を寄せてくれる人が周りにいることが、どれほど仕事にやりがいを与えてくれるかは、実際に派遣されてみて、わかることだと思われます。それにやりがいを感じられたら、収入云々ではなく、ここで頑張りたいと思えるのではないでしょうか。