薬剤師の養成課程自体が4年制であった頃、とりわけ国立の薬学部を卒業した人が雇用先でパスするゴールデンルートがありました。これに関しては、製薬企業の研究職からMR、そして医療施設、調剤薬局、さらにOTCというプロセスであり、逆を経由するのは困難であるとされていました。
調剤薬局、あるいはOTCの業務内容が簡単とは言いませんが、少なくてもキャリアアップのしやすさにおいては異なる職種と比べても図抜けています。 この流れはいまだに続いており、この順番で相対的に手間なくキャリアアップができます。
しかしながら、ひとたび安定な職種に移ると、その反対に動くのは並外れたエネルギーを必要とすることでしょう。こうした資格内異業種に対しての転職は、給与、あるいは待遇のみならず、薬剤師という立場でどういった仕事がしたいか、自分自身の将来像をどういった具合に想定しているのかがとても重要になります。
自分自身の5年後それから、10年後のイメージが描けているとしたら、どういった資格内異業種でもキャリアアップは可能でしょう。 裏を返せば、給与、あるいは待遇のみを目的としまして、資格内異業種へ仕事を変えるのは控えたほうが望ましいといえます。同一の薬剤師でも労働内容は異なりますし、入用になる専門的な知識やテクニックも違います。半端な気持ちで転職するのは辞めた方が良いと考えられます。